サンケンアイ(sunken eyes)とは、目の上が凹んでいる状態を言います。サンケンアイになると、疲れて病弱な印象を与え、老けて見えるようになります。一般的にサンケンアイは、老化や急激な体重減少により起こりますが、二重整形後にサンケンアイの症状を呈し、他院修正の依頼を受けることが近年増加しています。
二重手術は、目を大きくする手術ですが、その原理は、眼裂に垂れ下がっている睫毛の生え際の皮膚をたくし上げて、眼裂に皮膚が下がらないように固定をすることにより、目を大きく見せるというものです。睫毛の生え際の皮膚が持ち上がらないようなケースでは、二重整形をしても、状態は前と変わらず、目が大きく見えないということになります。二重整形だけで、目が大きく見えない場合は、その他の方法を併用することにより、目を大きく見せる必要があります。
サンケンアイの原因として、瞼の脂肪が減った、瞼を上げる筋肉が衰えた、目の周囲の骨が壊れた、などが考えられます。目の脂肪が減るのは、熱を出してげっそりした時などです。病気で、体重減少があった場合、目の脂肪が極端に減って、目が窪みます。
二重整形後のサンケンアイは、一般的なサンケンアイと比較して症状が強いことが特徴です。眉が上がって額にシワができる、黒目が半分くらい隠れている、肩こりや偏頭痛がするなどの症状を呈します。
老化や体重減少による一般的なサンケンアイの場合は、ヒアルロン酸や脂肪注入を行うことにより、改善が期待できます。しかし二重整形後の症状の強いサンケンアイに対しては、注入療法では改善できないことが多く、再手術が必要になります。上方に不要な癒着が生じているため、その癒着を剥離して、二重を再設定する必要があります。非常に難易度の高い手術になります。
上眼瞼は皮膚の下に、眼窩脂肪があり、その下に、挙筋腱膜と眼瞼挙筋があります。眼瞼挙筋が収縮することにより、上まぶたが開眼します。サンケンアイの場合、眼瞼腱膜と皮下組織の癒着が生じ、眼瞼挙筋の収縮が妨げられています。その為、癒着を丁寧に剥がし、再癒着を起こさないよう処置をして、ラインを再設定する必要があります。原理的には簡単に聞こえますが、難易度が高く、手術を引き受けてくれる施設は限定されます。
28歳、女性。二重整形後のサンケンアイ、他院修正手術
症例経過:他院美容外科で二重切開法を行った症例です。目を大きくしたくて整形したのに、希望通りにならず、却って目が小さくなってしまいました。他院修正手術を希望して仙台中央クリニックに御相談いただきました。診察したところ、二重のラインは設定されていましたが、目の上が窪み、目の大きさに左右差がありました。特に左目が小さく、努力して目を開けている状態でした。サンケンアイを修正するために再手術を行いました。術後の腫れもほとんどなく、サンケンアイは改善され、左右差もなくなりました。印象の良い目になりました。
症例解説:二重切開法後のサンケンアイは、修正が非常に難しくインターネットで検索を繰り返し来院いただくことが多数あります。特にこの症例のように左右差を伴っている場合は、更に難易度が上がります。腫れないように再手術を進め、左右差のないパッチリ目を作製することが必要です。サンケンアイが改善されると、若返って印象の良い目になります。サンケンアイの修正は、目が開きすぎるデメリットやリスクを認めることがあります。術前に十分説明を受けて下さい。
21歳、女性。二重整形後のサンケンアイ、他院修正手術
症例経過:大手美容外科で二重整形を2回行った症例です。2回目の手術後、目が開き難く、目の上が窪んでしまいました。前医に相談したところ、しばらく待つように言われましたが、このまま様子を見ていても治らないだろうと判断し、修正を希望して、県外から仙台中央クリニックを受診していただきました。診察したところ、術後1週間目の状態で、左目はまだ腫れて内出血がありました。サンケンアイの状態で、目が開き難く、目の周囲の違和感、眼痛、頭痛を伴っていました。様子を見ていても改善しないと判断し、早期に修正手術を行いました。術後、サンケンアイは改善され、目が大きく開きました。
症例解説:サンケンアイの状態で、しばらく様子を見るように言われ経過観察をしている方がいらっしゃいますが、多くの場合で改善することはなく、却って癒着が進行することから修正手術は難しくなります。このままでは改善しないと判断したならば、早めに修正手術を計画することが重要になります。再手術により、手術直後からサンケンアイは改善され、目が良く開くようになります。パッチリ目になって印象が良くなります。サンケンアイの修正手術は、角膜炎やドライアイになるデメリットやリスクを認めることがあります。術前に十分説明を受けてください。