華やかに見える美容外科の裏話をお伝えします
美容整形価格設定の仕組み
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当院の地味なホームページ
一般的に美容外科のホームページは、制作費が100万円はかるく超えます。少し見栄えを良くすると200~300万はすぐに掛かってしまいます。さらに一般的には維持費が月数万~20万円くらい掛かります。当院のホームページは知り合いに個人的に頼み込んでありえない値段の5万円で作ってもらいました。患者さんに「ホームページが地味でわかりにくい。」といわれることもしばしばです。写真やムービーをふんだんに取り込んだホームページは理想ですが、今のところこのスタイルを変えるつもりはありません。何故かと言うと広告費をできるだけ抑えたいからです。広告費を減らすことにより手術料金を割安で提供することに心掛けています。「最高の技術を適正価格で」提供できるように、当院は涙ぐましい努力をしています。どうぞご理解ください。
美容整形価格の設定
各クリニックのHPをみていても、同じ手術なのに価格が違っていることが多々あります。
美容整形の価格とは、どのように決められているのか、疑問に思われた事があるのではないでしょうか。クリニックを選ぶにあたり、美容外科での料金設定の仕組みを知っておくことは非常に有益です。
保険診療と自由診療の違い
私達が病気をした時には、保険診療にて治療が行なわれます。保険診療の場合、行なわれる全ての診療費が国によって価格が設定されています。そして、診療費の大半が国によって支払われ、一部を我々が負担しています。これに対し美容整形は自費診療で行われています。美容整形の料金は、国で決められているものではなく各クリニックが独自の判断のもとで価格決定しています。価格を自由に決められることから同じ手術なのに価格が全然違うということが起こります。自由診療は全額自己負担ですから、当然保険診療に比べ料金は高額になります。自由診療はクリニックの経営状況により価格が変動することも有ります。
美容外科の料金設定について
美容外科の手術料金はどのようにして決定されるのでしょうか?患者側からすれば安いに越したことはありません。事実、安さを売りにしたクリニックも多数あります。我々のクリニックの現状を一部説明しようと思います。
手術料=クリニックの利益+必要経費(材料費、家賃、人件費、広告費)
という式で表されます。クリニックの利益と必要経費を下げれば、手術料金はさがるということになります。
[クリニックの利益]
クリニックの儲けを究極に少なくして手術料金を下げることは理論的には可能です。しかしクリニックを長期的に健全経営のするためには、ある程度の利益も出さなければいけません。極端に利益を下げることで経営を行っているクリニックは、不測の資金が必要な場合に乗り切れなくなってしまい、しばらくして行ってみたらクリニックがなくなっていたということが起こりうります。この時に直接害を被るのは患者さんです。また、経営が順調でないクリニックは、良いスタッフが集まらなくなり、医療レベルを下げることにもなります。
それでは必要経費について見てみましょう。
[材料費]
医薬品や縫合糸、手術に使うはさみやメス、手術器械のコストです。材料費は削減するにもある程度限界があります。削減しすぎると最新機械が導入出来なくなり、最新の医療環境が整備できません。材料費、医療器材費の節約には限界があります。
[家賃、内装費]
駅近の一等地のおしゃれなビルにあるクリニック、内装はあたかもホテルのよう。これだけで患者さんは圧倒されてしまいそのクリニックの技術も最高のものであると思い込んでしまいます。当然のことですが手術は医師を中心としたスタッフがおこなうものですので、内装とは関係ありません。ただし、あまりに汚いクリニックはスタッフの美的感性を疑います。古くてもきれいに掃除されているレベルなら合格でしょう。
[人件費]
医者は大体同じくらいの給料だと思っている方が多いかもしれません。これは大きな誤解で、研修医、普通レベルの医師、カリスマ医師ではいずれも給料に大きな開きがあります。給料の低い医師に低料金で上手に手術をやってもらえば患者様の側から見ればこんなに良いことはありません。しかし給料が低く手術のうまい医師はすぐにほかのクリニックに好条件で引き抜かれますから、現実的にはこの様なことはほとんどありません。特にカリスマ医師はどこのクリニックからも引っ張られますから、残ってもらうためにはメージャリーグにおける大谷選手のように能力相当の年俸を提示する必要があります。ですから人件費を削減することは医療レベルが下がることに直結します。クリニックの経営上、人件費は節約することは非常に困難です。
[広告費]
技術はあっても、そのことを伝えないと患者さんは来てくれませんので、クリニックを経営する上で広告費は多少必要です。しかし大々的な広告は手術料金の高騰となって返ってきます。一流モデル、大物芸能人の広告起用はクリニックのイメージアップとしてはいいのかもしれませんが、モデルや芸能人のギャラは、患者が負担する手術料の一部であるということに留意しなければなりません。
必要経費をバランスよく削減することにより低料金で手術を提供することができるのです。華やかに見える美容外科の裏では厳しい企業努力も行われています。
美容外科における広告
「広告費というのは、平凡な製品を作ったときに必要になるものだ」、アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)は、株主総会でこんなことを言ったことがあります。「素晴らしい製品は、使った人々の間で口コミにより宣伝され、広告を出さなくとも売れる」、という意味でしょう。確かにこれは多くの業界においては事実と思われます。たとえば、味で勝負する料理店は、広告は出さず、場合によっては看板もないのに、連日予約でいっぱいになるということを、耳にすることがあります。
さて、美容外科においても同じようなことは可能でしょうか。ジェフ・ベゾス最高経営責任者の考え方が当てはまれば、美容外科においては、素晴らしい技術で手術を行えば、患者さんは満足し、広告を出さなくとも、その技術力は口コミで広がるため、広告は必要がないということになります。はたして美容外科で広告費をゼロにすることは可能でしょうか。
しかし、これはまず無理です。美容外科も技術力だけで勝負することは不可能なのです。美容外科は技術力が上がれば上がるほど、口コミが少なくなってしまうという一般業種とは異なる珍現象が起こってしまうからです。
美容外科における口コミ
料理店の場合、予約が取れたというだけで、喜んで人に言ってしまいますが、美容外科の場合、手術を受けた患者さんは手術を受けた事実を秘密にしたがるという現象が起こります。ましてや手術が上手くいった場合、人に伝えることはありません。手術を受けたことを秘密にしたいという気持ちと、そのクリニックを秘密にしたいという気持ちが働きます。そのクリニックを自分だけで独占したいという気持ちのために、手術をしたことは言えてもクリニックは言いたくないということになります。ですから技術が高くなればなるほど正確な情報が、外に伝わりづらくなるという現象が起きてしまいます。美容外科手術で、本当に満足した方は、その医師を独占したいため秘密にしたがり、口にすることはほとんどありません。
美容外科におけるキムタク現象
女性に、「彼氏ができた場合友達に言いますか?」と尋ねると、ほとんどの方は、「たぶん仲のいい友達には教えると思う。」、と答えます。しかし、「彼氏がキムタクだったら、人に教えますか?」と尋ねると、「絶対教えない。」とか「言える訳がない。」「彼氏ができたことは言えても会わせることは絶対ない。」と答えます。女性には、誰から見ても非の打ち所のないイケメンであったなら、彼氏を自分だけで独占したいとか、人に取られたらどうしよう、という複雑な気持ちが働き、絶対に人に言いません。たとえ彼氏ができたことは言えても、会わせることはありません。
イケメン彼氏ができたA子さんとその友達B子、C子さんの会話は、例えばこんな感じになるでしょう。
B子「彼氏出来たんだって?」
A子「まあ、出来たのは出来たんだけど、」
C子「今度、会わせて。」
A子「見るほどのこともないよ。」
B子「イケメン?」
A子「そんなことないよ。」
C子「性格は?」
A子「あんまり良くないけど、まあ付き合ってるんだ。」
美容外科も同様で、手術を受けて不満足の場合は人に教えますが、満足した場合には全く口コミに乗りません。
美容整形が上手く行ったA子さんとその友達B子、C子さんの会話
B子「突然、綺麗になったね。」
A子「そんなことないよ。」
C子「顔いじったんじゃない。」
A子「絶対誰にも言わないでね。絶対秘密だよ。」
B子「すっごい綺麗になってるんだけど、どこでやったの?」
A子「県外の無名のクリニック」
C子「実は私もやりたいんだけど、紹介してくれない?」
A子「親戚のお姉ちゃんに連れて行ってもらったんで、私も場所とかよくわかんないんだあ。」
結局のところ、美容外科の場合、高い技術で手術すれば口コミがゼロになるというおかしな現象が起きてしまいます。
ドラマにキムタクさんが出れば、高視聴率を上げる。キムタクさんが使っているものが、売れるなどの現象を「キムタク現象」といわれた時代がありましたが、上手くいけばいくほど口コミに乗らない美容外科の奇異なるこの現象を、キムタクさんに敬意を表して、「美容外科におけるキムタク現象」とか「美容外科におけるキムタクの法則」と呼ばせていただいています。
美容外科において良い口コミは信じるな
技術力が上の美容外科の評判が、口コミで広がるということは、少ないと考えられます。もし口コミで広がる美容外科があったとするならば、それには何らかの人為的操作が加わっていると考えるのがいいでしょう。
最近、インターネット上にアフィリエイトサイトというサイトが、出現しました。「評判の良い美容外科はココ」、「美容外科の名医は誰!」など、表面上は、口コミを中心に形成されているかのようなサイトです。しかし良く読んでみると、ある一定の美容外科クリニックに行き着き、そのクリニックを宣伝していることがわかります。そのサイトを介して、手術を契約するとサイト運営会社に手数料がキャッシュバックされる仕組みになっていることもあるようです。アフィリエイトサイト内の口コミの信憑性は怪しいと考えざるを得ません。
更に、美容外科において、知人紹介制度を採用しているクリニックもあります。知人を紹介すると、手術料の何パーセントかが、紹介者にキャッシュバックされるような仕組みです。 知り合いの紹介だからと言って、あてにならないことがわかります。良い口コミにはこのような罠が潜む可能性があるのです。
広告は最小限、口コミはゼロ
仙台中央クリニックは知名度が、とても低いクリニックです。ご来院いただいた患者さんのほとんどに、「今までこのクリニックがあることは知りませんでした。」とか「良く調べてやっとたどり着きました。」とか言われます。広告を増やそうとは思いませんし、当然口コミはゼロを目標にしています。満足していただけるのであれば、口コミゼロを甘んじて受けようと思います。御来院いただく方には「露出が低いのでわかりにくい。」と御叱りを受けますが、しばらくこのペースでやらせていただこうと思います。 クリニックの利益は少ないですが、仕方ないことと納得しています。
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