アゴが引っ込んでいると、間が抜けて不機嫌に見えます。そのような症例に対し、アゴプロテーゼは広く行われています。アゴプロテーゼは、難易度の高い手術ではありませんが、プロテーゼが曲がった、ずれた、浮き出てきた、などのトラブルが報告されています。仙台中央クリニックでは、アゴプロテーゼの失敗症例に対する修正手術をお引き受けしています。
アゴプロテーゼの失敗は、きちんとした場所にプロテーゼが挿入されていないことにより起こります。そのため再手術は、一度プロテーゼを取り出して、適切な場所に入れ替えることが行われます。多くの場合、プロテーゼの入れ替えまたは抜去により、修正が出来ます。しかし、不適切なプロテーゼを長い間放置し修正が遅れると、アゴに変形をきたことがあります。その場合、アゴ自体の根本的治療が必要になるために、治療の難易度が上がります。
64歳、女性。アゴプロテーゼ失敗、抜去後、注射による修正
45年前に首都圏の美容外科で、アゴプロテーゼの手術を行った症例です。プロテーゼが浮き出てきたために、25年前にアゴプロテーゼを抜去してもらいました。しかし抜去後、顎の先端の変形が明らかになり、とても見栄えが悪いので、ずっと修正を引き受けてくれるクリニックを探していました。今回インターネットで検索して、仙台中央クリニックを受診していただきました。診察したところ、口腔内アプローチによりアゴプロテーゼは既に抜去されていましたが、顎の先端右側に皮下結節が形成され、突出して、アゴが変形しているように見えました。先端左側は、窪んで段差になっていました。アゴプロテーゼが長期間不適切な位置に入っていたために、周囲の組織と反応を起こして、皮下結節が形成されたと考えられました。ご本人は、大きな治療は望まず、ヒアルロン酸を注入し、アゴを形成した上で段差を修正しアゴを滑らかにしました。顎のラインがきれいになり、顎の変形が改善しました。
クリニックより:顎の形成不全に対して、アゴプロテーゼは有益で、多くのクリニックで行われています。しかし、プロテーゼが浮き出てきた、ずれた、曲がったなどのトラブルも報告されており、修正手術の御相談をいただいています。多くのケースで、プロテーゼの入れ替えまたは抜去により、改善は得られますが、アゴの変形がある場合は、難易度の高い治療を要します。根治的には、皮下に形成された変形をすべて取り去って、再度プロテーゼを入れるか、骨切り前進術により、オトガイ部の形成を行う治療が必要になります。大がかりな治療を望まない場合は、ヒアルロン酸や、自己脂肪の注入により、アゴのラインを形成することも可能です。状況を良くお伺いして治療方針を決めています。