わきが多汗症手術を行ったにもかかわらず症状がある場合は、初回の手術で汗腺が完全に取り切れていない可能性があります。わきが多汗症症状を完全になくしたいのであれば再手術により汗腺を完全に除去する必要があります。 尚、吸引法では症状が残る可能性が高いため、完全に治療したい場合は、シェービング法(切開法)での手術をお勧めしています。
吸引法を行った場合、一時的に症状が改善したものの、しばらくしてワキガ多汗症症状が再発する場合があります。この場合はシェービング法で再度手術をする必要があります。手術は時間がかかり大変難易度が高い手術になります。
ワキガ多汗症手術の傷が気になり、修正を希望して御来院いただくことがあります。再手術により傷を目立たないようにすることが可能です。目立つ傷を切除して美容外科的方法で縫合を行います。ただしケロイド体質などで、赤紫色に大きく盛り上がっている様な場合は修正することが不可能な場合があります。
吸引法は小切開から腋窩部皮下の汗腺を吸引する方法で、非常に手軽なワキガ多汗症治療であり、数年前は盛んに行われました。しかし場合によっては効果が不十分であったり、再発したりすることが知られるようになってきました。再発率が高いことが分かり、以前よりも行っているクリニックが減ってきています。
ミラドライは最近開発された腋臭多汗症治療です。腋窩部に電磁波を当てることにより、皮下の汗腺を破壊し、腋臭多汗症症状を軽減します。メスを使わない治療法であり、人気があります。しかしミラドライの効果には個人差があり、一度では症状が取れない場合があることが知られています。また、しばらくしてから再発することもあるようです。切る治療はしたくないという方には適した治療法ですが、症状を完全に取りたいという方には向かない場合があります。ミラドライを受ける場合には、その治療の限界をよく理解した上で受けることが大切です。
39歳、女性。ワキガ再発、他院修正再手術
5年前に大手美容外科で吸引法による腋臭手術を受けた症例です。吸引法を行った後、1年くらいは、腋臭症状が落ち着いていたものの、その後、腋臭症状が再発し、臭いがきつくなってきたということで、仙台中央クリニックに受診していただきました。診察したところ、両側の腋窩部は、汗が多く、腋臭特有の刺激臭が認められました。腋臭症状が強いことと、今度こそは完治したいという希望が強いことから、剪除法による腋臭再手術を行いました。初回手術により皮下組織は硬くなっており、皮下皮脂腺を摘出するのに難渋しましたが、時間を掛けて丁寧に皮脂腺の除去を行い、腋臭症状は無くなりました。
クリニックより:初回手術で皮下皮脂腺の除去が不完全である場合、腋臭症状は再発します。以前は、吸引法によるワキガ手術の再発の方から御相談いただくことが多かったのですが、最近では、ミラドライ後に再発したという相談が増えています。腋窩部の皮下を剥離して裏側から臭いの元になる皮脂腺を除去する手術が必要になります。2回目以降の手術は、皮下組織が硬くなるために、臭いの原因となる皮脂腺の除去が難しくなります。そのため腋臭症状が強い場合や、完全に症状を取りたいと希望されている場合は、初回手術から皮脂腺の完全摘出を目指して手術されることをお勧めします。初回手術で安易な手術を選択すると、結局再発して、難易度の高い治療を行わなければならなくなりますのでご注意ください。