後頭部の女性薄毛は、自分で気が付き難く、人に指摘されて初めてその存在にショックを受けます。毎日鏡を見ていても、鏡に映らないことが多いため、かなり進行しないと分からないということも有ります。しかし、一旦気づくと、人の視線が気になって、ストレスを抱えてしまいます。
後頭部の女性薄毛は、女性ホルモンの低下や乱れが関係しています。女性ホルモンの中でも、特にエストロゲンは女性の機能を維持するだけでなく、髪の毛の成長や維持に関与している重要なホルモンです。強いストレスや劇的な体重減少などが女性ホルモンバランスに影響を及ぼし、女性ホルモンの分泌を変化させます。また閉経を迎える更年期では、エストロゲンの分泌量が急激に低下します。そのため、髪の毛一本一本が細くなり、薄毛や抜け毛といった髪のトラブルが急増します。
皮膚に紫外線が当たると、光老化が引き起こされます。頭皮も紫外線によってダメージを受け、ダメージが蓄積すると、毛髪の成長に悪影響を及ぼします。紫外線の影響で良質な毛髪を育てることが難しくなり、髪が細くなり、抜け毛が増加するために、後頭部が薄くなってしまいます。
休止期脱毛症は、何らかのきっかけで、通常よりも多くの毛包が休止期に入ることで脱毛が起こる疾患です。急性に起こるものを急性休止期脱毛症、6ヶ月以上続くものを慢性休止期脱毛症と呼びます。後頭部だけでなく頭頂部や側頭部の毛も減っていきます。休止期脱毛症は原因が多岐に渡り、原因特定が難しくなります。
後頭部の女性薄毛は、これまでシャンプーやリンスなどにより頭皮環境を整え、頭皮マッサージにより頭部の血流を増やすなどの治療が行われてきました。しかし治療に難渋することが多く、効果的な治療法の開発が待ち望まれていました。ハーグ療法が開発され、毛髪の毛母細胞に直接働きかけ、自己毛髪を再生させることが出来るようになりました、後頭部の女性薄毛でも効果を認めています。
髪が伸びるスピードは、1カ月に約1cm程度です。また髪の毛が生え変わるヘアサイクルが深く関わっていますので、治療後、効果を感じるまでには、期間を要することが有ります。月単位で数回の治療を行う必要があります。
47歳女性。後頭部の女性薄毛
症例経過:後頭部の地肌が透けるようになった症例です。後頭部は髪の毛を流して隠す事が出来ず、後ろからの視線や人の気配が気になって、ストレスに感じるようになり、薄毛治療を希望してれ仙台中央クリニックを受診していただきました。後頭部を中心に、頭頂部やつむじ周辺まで薄毛が進行していました。頭皮は赤く、硬くなっていました。後頭部の薄毛治療に効果があるハーグ療法を開始しました。地肌が白く健康な状態になり、発毛が認められました。薄毛が気にならなくなりました。
症例解説:後頭部の薄毛は自分では見えないだけ、薄毛に気づいた時のショックは大きく気持ちや行動に変化が出てしまいます。常に他人の視線が気になり、心が休まることはありません。髪の毛のボリュームを出すためドライヤーを長時間かけたり、頭皮の過剰マッサージを行ったり、無理な牽引で髪型を変えたり、薄毛をなんとかカバーしようとする方もいらっしゃいます。しかし却って薄毛を進行させてしまうことが有り、注意が必要です。近年ハーグ療法が、後頭部の薄毛治療に用いられ、効果を上げています。生活習慣やストレスを減らしても薄毛が進行していく場合には、医療機関を受診することが重要になります。ハーグ療法は、注射する際に痛みや痒みのリスクがあります。