内臓に疾患があると、様々な症状が認められますが、兆候の一つに抜け毛や薄毛があります。内臓に異常があると、エネルギーが生命維持に重要な臓器を中心に分配される為、毛髪に分配される栄養が少なくなり、抜け毛や脱毛が起こり、薄毛が進行します。

鉄欠乏性貧血は、鉄が不足することによっておこる貧血です。酸素を全身に運ぶヘモグロビンの生産量が減少し、酸素の取り込みが十分に出来なくなります。それによって頭皮や毛乳頭に、十分量の酸素や栄養が送り込まれなくなり、毛髪が正常に育たなくなり抜け毛、薄毛が引き起こされます。
膠原病は、内臓の結合組織、血管、皮膚などに炎症や変性が起きる病気で、症状は多岐にわたります。膠原病では、抜け毛が増える傾向があります。膠原病で抜け毛が増えるのは、免疫機能が異常反応を起こして毛根を攻撃することや、栄養が毛根まで届かないことなどが原因と考えられます。

甲状腺ホルモンは、体の発育を促進し、新陳代謝を盛んにする働きがあります。甲状腺の機能異常が起こると、甲状腺ホルモンが低下するようになります。その結果、体温調整や新陳代謝、臓器の活性化に影響が出ます。逆に、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されても体に負担がかかります。甲状腺ホルモンは、過剰であった場合も不足した場合にも、体に様々な症状を呈して髪が細くなり、抜け毛が多くなり薄毛につながることがあります。
肝臓は、食べたものを消化吸収し、体内の有害物質を分解する作用があり、生命維持のためには欠かせない臓器です。肝臓はGF-1というインスリン様成長因子を分泌しますが、このGF-1という物質は、髪の毛の成長を促進させ、肝機能が低下するとGF-1が分泌され難くなり、髪の毛の成長が阻害されてしまうために薄毛になります。また、肝臓は髪に必要な血漿タンパク質を作る働きもあり、肝機能が低下すると、血漿タンパク質も作られ難くなり、栄養素の運搬が出来なくなり、抜け毛が増加します。
47歳、病気で進行した薄毛、ハーグ療法
症例経過:腹部疾患で入院し、薄毛が進行した症例です。約2ヶ月間の入院と自宅療養を経て社会復帰できましたが、進行した薄毛は改善しませんでした。抜け毛が続くため心配になり、薄毛治療を決意して仙台中央クリニックに御相談いただきました。前頭から頭頂にかけて薄毛領域が認められました。ハーグ療法が有効と考えられ、治療を開始し、薄毛が改善し、発毛が認められました。
症例解説:手術や入院は、痛みや出血、身体のストレスを伴います。また生命維持のために重要臓器に優先的にエネルギー分配がなされ、毛髪に対する栄養が制限されるため、薄毛が進行することがあります。病気に関連した薄毛の場合、もとになっている病気の治療をしないと薄毛症状は改善しませんので、病気からの回復を最優先していただくことになります。病状が改善すると、自然に薄毛が改善されることが多いのですが、回復から数か月を経ても薄毛状態が続く場合には、薄毛治療を行う必要があります。ハーグ療法は近年開発された、薄毛治療法ですが、病気による薄毛に対して改善効果があり、発毛を促します。髪の毛が生えることで元気で若々しい容貌になりますので喜ばれています。ハーグ療法は、注射する際に痛みを伴うデメリットやリスクを認めることがあります。