女性から生え際が薄くなったと御相談頂いています。女性の薄毛は、頭部全体的に広がることが多く、生え際が後退することは少ないと言われ、生え際の薄毛は、男性のものというイメージがありますが、女性で、生え際が後退し、老けて見えると訴える方もいらっしゃいます。
後ろで髪の毛をきつく縛ると、生え際の薄毛を生じることが有ります。髪が引っ張られ、頭皮の血行不良が起こることが原因と考えられています。髪は血液によって運ばれる栄養をもとに成長するので、頭皮の血流が悪化すれば健康な毛髪を育てることはできません。日常的に同じ部分に牽引による負担がかることにより、生え際の髪に大きな負担を生じ、髪の毛が抜けやすくなります。
女性ホルモンには血管を強くして血流を保ち、若々しい体を維持する働きがあります。特にエストロゲンには女性らしい髪の毛を作る働きがあり、コラーゲンの合成を促し、髪の毛の艶やハリも向上させます。エストロゲンの分泌が低下すると、肌や髪の艶がなくなり、抜け毛が多くなって生え際の薄毛に繋がります。
強いストレスは、ホルモンのバランスや自律神経の働きを乱し、生え際の薄毛を誘発します。頭皮の血行が滞り、髪を成長させる毛乳頭や毛母細胞に栄養が行き届かず、発毛を阻害します。前髪の量が少なくなると髪型がす不安定で、ヘアスタイルが定まりません。薄毛がより更にストレスが蓄積されてしまいます。
栄養バランスの偏りや睡眠不足、喫煙習慣が、生え際の薄毛を引き起こすことが有ります。過度なダイエットや偏った食生活は頭皮に悪影響を及ぼし生活習慣の乱れは頭皮環境を悪化させます。また、睡眠不足によって毛母細胞の分裂が阻害されると、髪の毛が十分に成長せず、細くて弱い髪の毛が増えて、生え際の薄毛が進行します。
女性の生え際の薄毛は、治療に反応性が低く、これまで効果的な治療法はありませんでした。近年、毛髪再生医学の進歩により、成長因子を毛髪の毛母細胞に直接働きかけ、自己毛髪を再生させるハーグ療法が開発され、臨床的に高い効果を示しています。女性の生え際薄毛に対しても効果があり、臨床的に用いられています。
46歳、女性。女性の生え際薄毛
症例経過:40代に入り生え際が薄くなってきた女性薄毛症例です。ブラッシングや洗髪時の抜け毛が増加して心配になり、仙台中央クリニックに来院されました。前髪の生え際から頭頂部の範囲の髪が薄くなっていました。生え際及び全体の発毛を期待して、ハーグ治療を開始しました。発毛が認められ、髪のボリュームも増え前髪のセットもし易くなりました。
症例解説:生え際の薄毛が気になってはいるものの、どうしていいか分からず放置している方はかなり多くいらっしゃいます。生え際の薄毛は自己努力で改善されることは少なく、薄毛治療が必要になります。ハーグ療法は、生え際の薄毛に効果的で、毛髪再生を促し、増毛することが出来ます。女性の抜け毛や薄毛は、治療方法さえ間違わなければ、改善の可能性が十分にありますので、薄毛治療をお勧めします。発毛効果や改善スピードには個人差があるため、薄毛兆候を発見し、根気強くケアや治療をしていくことが大切です。ハーグ療法は、薬液注入時に痛みや出血のリスクがあります。